
BMWが提示する電動ラグジュアリーSUVの最高峰、「iX M60」。その圧倒的なパフォーマンスと未来的な内外装に期待を膨らませ、先日、幸運にも試乗する機会を得た。果たして、この電動の巨人はどのようなドライビング体験を提供してくれるのか。本記事では、その第一印象から詳細なインプレッションまでをお届けする。
1.圧倒的な存在感と先進性を纏うエクステリア
まず目を引くのは、その大胆かつ未来的なエクステリアデザインだ。縦長の大型キドニーグリルは電動モデルならではの新しい解釈がなされ、スリムなヘッドライトと相まって強烈な個性を放つ。ボディサイドはフラットでありながら力強い面構成で、22インチの大径ホイールがその存在感をさらに際立たせる。細部に目を向ければ、Mパフォーマンスモデル専用のブロンズアクセントやエアロパーツが、ただならぬ高性能を静かに物語っている。

2.ラグジュアリーとミニマリズムが融合した革新的インテリア
ドアを開けると、そこには広々としたラウンジのような空間が広がる。BMWライブ・コックピット・プラスに含まれる大型のカーブド・ディスプレイは圧巻で、物理スイッチを極限まで排したミニマルなデザインが印象的だ。シートには上質なオリーブ・タンニンなめしレザーが奢られ、クリスタルカットされた操作系パーツやウッドパネルが、モダンな空間に温かみと高級感を添えている。まさに、移動時間を特別な体験に変えるためのコックピットと言えるだろう。

3.息をのむ加速と意のままのハンドリング – Mの血統を感じる走り
アクセルを踏み込むと、iX M60は巨体を忘れさせるほどの強烈な加速を見せる。2モーターによるシステム最高出力619ps、最大トルク1100Nmというスペックは伊達ではない。しかし、その加速は決して粗野なものではなく、あくまでもスムーズかつリニア。アダプティブ2アクスル・エア・サスペンションと電子制御ダンパーがもたらす乗り心地は極めて快適でありながら、ワインディングロードではMモデルらしい俊敏なハンドリングと安定性を発揮する。まさに「駆けぬける歓び」を電動で再定義した一台だ。
まとめ:電動ラグジュアリーSUVの新たなベンチマーク
BMW iX M60は、単なる高性能な電動SUVというだけでなく、未来のラグジュアリーモビリティのあり方を提示する一台だと感じた。環境性能、圧倒的な動力性能、そして最先端のデジタル体験を高次元で融合させたこのモデルは、間違いなく電動ラグジュアリーSUVの新たなベンチマークとなるだろう。価格は決して安くはないが、それに見合うだけの、いやそれ以上の価値と体験を提供してくれることは間違いない。
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